
AIOに全振りするAI-First宣言の先にあるもの
今月の1日、エイプリルフールの日に、株式会社インターリンクが AI-First宣言 を発表し、公式のウェブサイトを HTML からマークダウンに切り替えました。今回はこのことについて考察してみようと思います。
マークダウンとは?
HTML に変換できる軽量なマークアップ言語です。
# レベル1の見出し (h1)
## レベル2の見出し (h2)
### レベル3の見出し (h3)
#### レベル4の見出し (h4)
##### レベル5の見出し (h5)
###### レベル6の見出し (h6)
```HTML
<!-- コンピュータコード -->
```
> 引用文の段落
1. 順序のあるリストの項目
1. 順序のあるリストの項目
1. 順序のあるリストの項目
1. 順序のあるリストの項目
* 順序のないリストの項目
* 順序のないリストの項目
* 順序のないリストの項目
* 順序のないリストの項目
[リンク](https://example.com/)
*強調*
**重要**このように記述したものが、次のように変換されます。
<h1>レベル1の見出し (h1)</h1>
<h2>レベル2の見出し (h2)</h2>
<h3>レベル3の見出し (h3)</h3>
<h4>レベル4の見出し (h4)</h4>
<h5>レベル5の見出し (h5)</h5>
<h6>レベル6の見出し (h6)</h6>
<pre><code><!-- コンピュータコード --></code></pre>
<blockquote>
<p>引用文の段落</p>
</blockquote>
<ol>
<li>順序のあるリストの項目
<ol>
<li>順序のあるリストの項目</li>
</ol>
</li>
<li>順序のあるリストの項目
<ol>
<li>順序のあるリストの項目</li>
</ol>
</li>
</ol>
<ul>
<li>順序のないリストの項目
<ul>
<li>順序のないリストの項目</li>
</ul>
</li>
<li>順序のないリストの項目
<ul>
<li>順序のないリストの項目</li>
</ul>
</li>
</ul>
<p><a href="https://example.com/">リンク</a></p>
<p><em>強調</em></p>
<p><strong>重要</strong></p>HTML とほぼ等価で、余計な要素や属性が一切ないため、AI (LLM) が理解しやすいとされています。また、AI も文章をマークダウンで出力しており、時折、HTML に変換しそこなった部分が **このように** 表示されることがあります。
AI-First宣言 とは?
HTML はウェブブラウザやサーチエンジンが理解しやすいマークアップ言語で、人やサーチエンジンが文書を読むためのフォーマットとして進化してきました。
しかし、AI にとって、複雑な構造、埋め込まれた様々な属性、装飾目的の要素は、情報の理解を妨げるノイズでしかありません。そこで、人やサーチエンジンが読むためのウェブサイトから、AI が読むためのウェブサイトに切り替えたということです。
「固定IPが使えるプロバイダを教えて」とAIに聞いたとき、そのAIが参照するのは私たちのウェブサイトです。
実際、Google Gemini に「固定IPが使えるプロバイダを教えて」と尋ねたとき、株式会社インターリンクを紹介されました。マークダウンにしたから AI が紹介したと考えるのは短絡的ですが、AI が効率良く情報を処理できるのは確かなようです。
AI-First のその先はどうなるか?
現時点で、マークダウンによって情報を公開するということは、AIO (AI への最適化) の観点では有用です。しかし、人やサーチエンジンが読むウェブサイトをやめて、AIO に全振りして得られるメリットは徐々になくなっていくと考えられます。
かつて、モバイル環境で素早くウェブサイトを表示させるための AMP HTML というものがありましたが、モバイル端末、ネットワーク、ブラウザ、HTML の進化によって、普通の HTML でも十分な速度が得られることから、現在ではあまり使われていません。
それと同様に、AI や HTML の進化によって、普通の HTML でもマークダウンと変わらず情報を処理できるようになると思います。それどころか、使用されている要素や属性から意図を読み取り、直接的に文章としては現れていない情報も処理できるようになる可能性もあります。そうなったとき、AIO への全振りがマイナスに作用すると予測できます。
今はどうすれば良いか?
中長期的に見てマイナスにはならない方法があるとすれば、セマンティックに作られた、バリデーションエラーを発生させない XHTML のように厳格な HTMLマークアップ でウェブサイトを作ることだと思います。構造化データ (JSON-LD や Microdata) なども使用して、マシンリーダブルに作られているかを意識する必要があると思います。
また、AI・LLM版 の robots.txt と言える llms.txt を用意しておくと良いかもしれません。
〆
株式会社インターリンクの AI-First宣言 を発表する先進性と心意気は評価したいです。

